障子の種類と特徴を建築家が解説|Houzz掲載記事の補足

建築コミュニティサイト「Houzz」に書いた記事「実はさまざま。障子の種類と特徴」が、Houzzのメールマガジンで「今週のおすすめ記事」として紹介されました。

自分が書いた記事を、このような形で取り上げていただき感謝します。でも単に「紹介されました」と報告するだけでは、せっかくこのページを見て下さった方の役には立たないと思うので、その元記事の内容に少し補足説明を加え、障子という建具の面白さについて補足してみたいと思います。

Houzzの記事で取り上げた「障子の種類と特徴」

Houzzの記事では、障子とひとくちに言っても、実際にはいろいろな種類があることを、ご紹介しています。たとえば、縦のラインが強調されたもの、細かい桟で繊細な印象を見せるもの、外の景色を楽しめる雪見障子、開き方や納まりに特徴のあるものなど、障子には意外なほど多くの表情があります。和室に付いている建具、という程度の印象で見ていると見過ごしてしまいますが、少し意識して見るだけでも、それぞれの違いは、なかなか興味深いものです。

元の記事はこちらです。
Houzz掲載記事「実はさまざま。障子の種類と特徴」

障子は昔の建具ではなく、今でも十分に使える

障子と聞くと、「昔ながらの和室の建具」と、思われがちです。もちろんその理解も間違いではありませんが、設計者の立場から見ると、障子は今でも十分に使い道のある建具だと思います。

障子の良さは、光をただ遮るのではなく、柔らかく室内へ取り込めるところにあります。カーテンともブラインドとも違う、独特の柔らかさがあります。また、外からの視線を適度に和らげながら、室内に落ち着きを与える力もあります。

特に和室だけでなく、少し和の要素を取り入れたい空間や、和モダンの住宅には今でもよく合います。すべてを純和風にしなくても、障子が一枚入るだけで、空間の印象が穏やかになることがあります。またあまり知られていませんが、カーテンやブラインドなどと比べても、断熱性や遮音性に関しては、かなり優れていると思います。洋風な部屋であっても、障子の設え方ひとつで、凄く洒落た空間になると言っても過言ではありません。

障子を取り入れる時に見ておきたいこと

障子を採用するかどうかを考える時には、見た目だけで決めない方が良いと思います。

まず大事なのは、その部屋にどんな光を入れたいかです。朝の光をやわらかく受けたいのか、西日を少し和らげたいのか、あるいは隣家との視線を調整したいのか。障子は意匠だけでなく、光と視線の調整装置でもあります。

次に、住まい全体との相性です。和室だけ立派でも、家全体の雰囲気から浮いてしまってはうまくいきません。逆に、全体の中で障子の位置づけが整理されていると、空間に自然になじみます。

さらに、使い勝手や維持のしやすさも見逃せません。障子紙の貼り替えや建具としての扱いやすさを含めて、生活の中で無理なく使えるかどうかは大切です。

建築を考える時、こうした細部が住まいの印象を決める

住宅の計画では、間取りや面積、設備機器の話に意識が向きがちです。もちろんそれらは大切です。けれど、実際に住み始めた後の印象を左右するのは、こうした建具や光の扱い、素材の見え方といった細かな部分であることも少なくありません。

障子はまさに、その「細部」の一つです。目立ちすぎる存在ではありませんが、うまく使うと住まい全体の雰囲気を静かに整えてくれます。

和室や和モダンの住まいをご検討の方へ

今回、Houzzの記事がメールマガジンで紹介されたことをきっかけに、あらためて障子のことを書いてみました。障子は古いもの、特別なもの、と考えるのではなく、今の住まいの中でも生かし方のある建具として見直してみると面白いと思います。

新築でも、リフォームでも、和室をどうするか、障子を採り入れるかで迷う方は意外に多いものです。そうした時には、見た目の好みだけでなく、光の入り方、暮らし方、住まい全体との関係まで含めて考えることが大切です。

住まいの雰囲気づくりや、和の要素の取り入れ方で迷われている方は、天工舎一級建築士事務所までご相談下さい。