Essay 103 家って何だろう・・・?

最近、よく考えることがあります。それは「家」と言うのは、一体なんだろうかと言うこと。


「何を今更」と言われるかもしれませんが、私の仕事はこんな自問自答をし続けないと、次のステップにジャンプできないのです。それに、決まった定義にしがみ付き、向上心が無くなったら終いですから(笑)


だから考えているのは「生活するための基盤」だとか、「人生のステージ」だとか言うことを言っているのではなく、人が生きていくことに直結している部分の話です。


少し前に「マンションを買う女達」と言う本を読みました。今の独身女性は分譲マンションを自力で購入する。その背景には、一体どんな思いや考えがあるのかをノンフィクションで書かれたものでした。私はその本を読み終わったときに、正直後味の悪いものを感じました。


登場する女性たちは、恋愛や夢に敗れ自分の居場所すら無くしたと思い、自分だけが癒される空間を確保することで救われたいと願うのです。かつて愛した人と過ごした空間を、いつまでも自分のものにしたいと賃貸マンションを購入する女性。キャリア・ウーマンを自負しながらも、気が付けば一人寂しい時間を過ごす自分に気づき、これ見よがしにステータスとしてマンションを購入する女性。


なんだか「寂しい女」がマンションを購入するのだと、言わんばかりの内容のような気がしたからです。読んでいる私の方が作者の心を寂しく感じました。でも今は・・・・・、少なくてもこれを書いている瞬間は、そう言う事も有るのかもしれないと感じています。


少し違う視点で話すとすれば、空間の持つ容積とは、時間と人間に馴染むものだと考えています。例えば自分のアパートに、大勢の友達が遊びに来たとしましょう。いつもは自分一人だけの空間なのに、そこに大勢の友人が来れば、初めは狭く感じることでしょう。ところが、その友人たちが長く居れば居るほど、帰ったあとの部屋が広く感じるようなことがありますよね?言っている事の雰囲気がなんとなく解りますか?


もっと極端な例を挙げれば、昨日まで家族4人で生活していた家が、今日から一人だけで住まなければならなくなったとしましょう。そのとき人は、「あ~広くなってせいせいした!」とは感じないはずです。勿論感情的なこと、感傷、荷物の量など、他の要素は沢山あるかもしれませんが、そんなことじゃ無いものも絶対にあると思うのです。


家の中には人が発する「心の名残」と言うか、「情念」みたいなものが漂っていて、その人が永く居れば居るほど、その思いは強くなるんじゃないかなぁ?こう言うのって車とか洋服には無い、何か違うものが家には付いて回るのでは?・・・・・そんなふうに思えてしまうのです。


仕事柄、これから解体する古い建物に入ることが有りますけど、中に入った瞬間に、かつての住人が、どんな思いで暮らしていたのかを、ほんの一瞬感じるような気がする時があるからです。


台所に立つ母の後姿や、その周りを走り回る子供の姿。テレビを見ながらビールを飲む父の姿と言った物を、瞬間ですが確かに感じてしまうのです。別に霊感と言ったようなオカルトっぽい話ではなく、ひょっとすると「こんな生活をしていたのかなぁ~」と言う私の理想なのかもしれません。


話が反れてしまいましたが、賃貸なのか自己所有なのかと言う違いは、時として永遠にその場所を自分だけのものとして占有できるか否かと言う拘りの部分かもしれないと思うのです。


もっと青臭い言い方をすれば「住むと言う空間と愛」みたいな気持ちは直結しているのかもしれないとさえ感じます。これは「愛」がそこに有ると言う事ではなくて、かっては有ったかもしれ無いと言うものも含むと思います。


人が生きていれば、そこには「愛情」が付いて回ります。恋人・夫婦・親子・兄弟、ひょっとしたらペットとの愛かもしれません。その器となるのが家なのでしょう。だとすれば当然「家」には、なんらかの情念を包括している時が有ると言う事。そして、それが完全に消えてしまうことも無いと思うのです。


う・・・・・ん、感じている事を上手く表現する事が難しいです(>,<)真剣に考えても答えなど見つかるはずも無いのに、ときどき自分を追い込むかのように、こう言う疑問が頭の中を飛び回ってしまいます。そんな時って、決まって今までの考え方に疑問を持ち始めた時で、自分を変えたい時か何かに引っかかっているときなんですよねぇ・・・。


なんだか答えの出ない無駄話を書いてしまい、お読み頂いた方には失礼なことをしました。こんな文章こそ日記に書くべきですよね?


でも家を建てようとお考えの皆さんも、少しで良いですから、こんなことをお考えになってみてはどうでしょう。きっと、何かに思い当たるかもしれませんよ?


今週のエッセイは、2話とも多分に感傷的な文章になってしまいました・・・。ゴメンなさい。