Essay 175 ガンダム的考察

「機動戦士ガンダム」と言えば、今から20年以上前のTVアニメ。
今でもその続編と言うか、流れを汲むアニメは放送されているが、人気の方は最初の作品の比ではない。最初のガンダムの事を業界では(何処の業界?)1stガンダムと呼ぶ。
この1stガンダム放映以降、数々の続編が誕生したのだが、やはり1stガンダムが圧倒的に人気が高い。


では、なぜ、この1stガンダムは今だに人気が高いのかと言うと、宇宙世紀と称する時代設定や、モビルスーツと呼ばれる大型ロボットのメカニック、宇宙に対する憧れとか、そんな様々な要素が織り交ざっての事だと思う。だいたいこのアニメ、「地球に住む地球人」対「宇宙に住む地球人」の戦争を描いた作品なのだが、珍しい事に善と悪が無い。まぁ戦争映画なのだから、どちらが善で、どちらが悪と言う事でもないのは当然なのだが、それでも主人公側が善だったりするのが普通なのに、この場合はそこら辺が非常に曖昧なアニメで、子供にはある意味難しい作品だったと思う。


それでも設定上、地球連邦軍が善のように描かれ(主人公のガンダムもこっちだし)、宇宙移民のジオン公国が悪のように描かれているが、それは形だけの事で、ファンの間では善い者側の地球連邦より、悪者として描かれているジオン公国の方が圧倒的に人気が高い。


その理由はモビルスーツ(以下MSと記載)と呼ばれる人型ロボットの魅力に尽きると思う。
連邦軍のMSは、実質上ガンダムとガンキャノン、それにガンタンクの3機しか存在せず、それに対してジオンはMSの開発に先駆けていた事もあり、ザク・グフ・ズゴック・ゴッグ・アッガイ・と挙げればきりがない程、ユニークな機体を沢山開発している。


一般兵は量産型のザクに乗って戦うが、腕の良いエースパイロットになると、オリジナルの改良が施されたMSが与えられる。それは宇宙で唯一の機体となり、「赤い彗星」とか「白い巨星」とか「青い稲妻」と言う通り名まで与えられる。言ってみれば称号みたいな物で、それはそれはカッコ良い訳だ。

 

と、前置きはここまで。
戦後、住宅産業の復興を担ったハウスメーカーの家は、当所はプレハブの量産型だった。
早く、安く、ドンドン作って市場に送り込むには、一つ一つがオリジナルでは間に合わないし、安く生産できない。だから量産できる事が最重要事項だった。そして、それぞれのメーカーはその目的を果たすべく、量産型を生産し続けた。これがガンダムで言うジオンのザクにあたる。


しかし技術は革新する。だから量産型も改良が加えられる。マイナーチェンジが繰り返され、前のタイプより向上した物が生産されることになる。これがザク改にあたる。


量産型はその圧倒的なパワーと、見たことも無い生産性で宇宙圏を制圧していく。
これは連邦のレビル将軍が、ジオンに捕らえられた時に似ている。この時、地球連邦は実質的には戦争に負けたと言っても過言ではない状況だった。


だがしかし!そんな時に量産型のパワーを凌駕するオリジナルが誕生する。所謂、住宅建築家の登場だ。第二次世界大戦前後に外国に出かけ、その建築技術や考え方を学び、戦後の日本の復興に役立てようとする若き建築家が少しずつ活躍を始める。


それはまるでアムロがガンダムの操縦を、マニュアルを見ながらこなして行く様に似ている。
そして高機能で唯一の機体、ガンダム・ガンキャノン・ガンタンクの実質3体が、圧倒的な物量の量産型を撃破し続け、戦局を一気に逆転させる事になる。


量産型を造り続けたジオンも、コレではいけないと、オリジナルの機体を作り始める。
ニュータイプのララァが乗った尖がり帽子(超能力を利用するMS)や、今までのMSの何倍もの大きさを持った機体ジオングがそれだ。他にもゲルググとかザク・レロとか沢山有るけど、挙げると切りが無いから割愛。


だが開発も、開発に至る趣旨の確立も一瞬遅れた。ジオンはあれだけエースパイロットが居たにも関わらず、組織と言う縛りが強すぎた為に、個人の能力を存分に発揮する事が出来なかった。そして、実質3機しかMSの無い地球連邦に負けてしまう事になる。


実際には地球連邦にも、ガンダムをモデルにした量産型のジムや、その改良版のジムスナイパーが存在していたのだが、ほとんど記憶に残っていない。(ボールなんか見たことも無い)


量産型と言うのは確かに必要だし、その存在無くして次世代モデルのシュミレーションも出来ないし、経済的な発展も望めない事も確かだと思うが、その一点だけに拘り続けると、オリジナルが出てきた時に、魅力や性能差、そして何よりもニーズの変化に対応できなくなってしまうのである。


だから量産型・改と言うマイナーチェンジが登場するのだろうけど、マイナーチェンジは何処まで行ってもマイナーチェンジでしかない。1stガンダムが、これだけ根深い人気が有るのに、今のガンダムでは、そのファンを引っ張っていく、あるいは振り向かせる力が無いのは、この辺りが理由と見るがどうだろう。


更に言えば1stガンダムの中でも、主人公たる地球連邦のMSよりも、唯一無比のMSを生み出したジオンが方が人気が高い。それは兎にも角にもオリジナルの魅力と言えよう。つまり量産型に拘らず、唯一無比の機体を作り上げた時、それは乗り手のキャラクターと相まって、物凄く魅力あるMSとなる訳だ。


また量産型と言う発想が、全てが悪いと言っている訳でもない。
量産型に乗っていても、その使いこなしが巧みで、連邦の艦隊8隻を一瞬にして撃破したシャア・アズナブルは「八双飛びのシャア」と呼ばれ、後に「赤い彗星」と異名を取るようになる事は有名な話。


他にもシン・マツナガだって、初めは量産型に乗っていたし、ランバ・ラルだって、黒い3連星だって、みんな最初は量産型だった。ただ、その使いこなしが、他者よりも圧倒的に上手かっただけなのだ。つまりは乗り手の腕ってこと。


建設業界では、いや「住宅産業界」では、と言い直したほうが正しいと思うが、今後も沢山の量産型が造られ続けていく事は間違いが無いだろう。その時、住み手が自分は量産型のザクで良いのか、それとも「赤い彗星」と呼ばれたいのかは、自分で決めればいい話である。どちらも大切なのだから。それに、どの人にとっても、自分がそのストーリーの主人公である事には間違いないのだから。


・・・・・・・・・・・・・なんて事を、ガソリンスタンドで洗車待ちをしている時に、ふと思いついた。
(洗車と戦車でイメージが繋がったのは言うまでも無い・・・・・・・・・・・・・・・・・・クックック)
セーラ、良い女になるのだよ・・・・・・・・・・・Fin


※お詫び
今回の文章、ガンダム知らない人には、全く意味不明の話でゴメンナサイ。
UPするの止めようかとも思ったのですが、某経済誌を読んでいて「住宅産業の量産型」と言うキーワードに引っ掛かってしまい、そこでチョチョっと書いてしまいました。
今度は、もうチョッと考えて書きますので御容赦を。

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