D・BOX after24屋根・外壁の清掃と再塗装および室内のメンテナンス 24年目の外壁再塗装を含むメンテナンス 一戸建て住宅/木造2階建て 敷地面積 113.60㎡ 建築面積 36.44㎡(11.02坪) 延床面積 65.43㎡(19.79坪) 監理期間 2026年6月~2026年8月 施工期間 2026年6月~2026年8月 施工会社 株式会社安池建築工房 神奈川県小田原市 COMMENT担当者コメント 新築から24年が経った住宅の、外壁の再塗装をはじめとした建物のメンテナンスと、室内のリフォーム工事。外壁は1階を塗装仕上げ、2階をガルバリウム鋼板の素地材とした建物です。屋根もガルバリウム鋼板による片流れ屋根としています。これは24年前の設計当時、将来、外壁の塗り替えを行う際に、できるだけ足場を設置せずに済むように考えたものでした。足場にかかる費用を抑えることができれば、メンテナンス費用も少なくできると考えたからです。 今回は竣工後2度目となる外壁の塗装に加え、2階部分の外壁や屋根、樋の清掃、窓周りや各所に設けたベントキャップなどのコーキングの打ち直しも行うため、足場を設置しました。 室内では、木製建具の調整やシャッターの清掃、大型の障子の張り替えなども行いました。建具を調整したことで毎日のシャッターの開け閉めが新築当時のように楽になり、障子を張り替えたことで室内も明るくなりました。造作の浴室には無塗装の板が張られていましたが、長年の使用によってカビで黒ずんだ汚れが目立っていました。汚れを落とした上で、カビの発生を抑える塗料を施しています。 浴室への出入りにはガラス製の吊り戸を使用していましたが、吊り金物の経年劣化によって開閉に支障が出始めていました。そこで、同じ形状のポリカーボネート板に交換し、毎日の出入りを無理なく行えるようにしました。明り取りとして設けたガラスブロックも、コーキング部分に発生したカビを除去し、新たなカビ対策を施しています。さらに新しい枠を設けることで、結露の発生も抑えられるように配慮しました。 今回、修繕や調整を行った箇所は、一つ一つを見れば小さなものばかりです。けれど、それらはすべて24年間の暮らしの中で少しずつ変化してきたものでした。新築時には問題がなくても、長く暮らしていれば建物も設備も建具も、少しずつ暮らしとの間にずれが生じてきます。その変化に気付き、その時々に適切に対応していくことも、住宅を長く使い続けるためには大切なことなのだと思います。 24年前、まだ建築基準法には「24時間換気」の義務付けもなく、一定の化学物質を含まない建材の使用を求めるホルムアルデヒド対策なども、現在ほど明確には定められていませんでした。その頃に設計したこの家は、そうした化学物質をできるだけ排除することを考えてつくった家でした。 また、現在では花粉症対策なども含め、バルコニーを設けない住宅も珍しくなくなりましたが、この家では24年前から、洗濯物を外に干すことを前提としない暮らし方を考えていました。当時は少し珍しい家だと言われていました。けれど24年が経った今、そこに暮らす家族が望んだ健康や暮らしやすさを求める考え方は、決して特別なものではなくなっています。 他者の家を見て「あれが流行っているから、あれと同じに」と考えるのではなく、「自分たちは、どんな家で暮らしたいのか」「自分たちが望む暮らしとは、どんなものなのか」そうしたことを考えてつくった家こそ、その人たちにとって最良の家なのだと思います。 24年後のリフォーム工事を終えて、あらためてそんなことを思い出させてくれた住宅でした。 本リフォーム計画に際してブログで書いた記事が以下になります。併せてご一読いただければ幸いです。 【23年目の答え合わせ・第1回】外壁は“塗り替えない”という選択 ― 足場設置にも考慮した設計↗ 【23年目の答え合わせ・第2回】カビは失敗ではなく「安全の証」――化学物質のない家が守り抜いた23年↗ 【23年目の答え合わせ・第3回(最終話)】建物の「顔」をつくるもの。時間を経て深まる物理的な器としての家↗
新築から24年が経った住宅の、外壁の再塗装をはじめとした建物のメンテナンスと、室内のリフォーム工事。外壁は1階を塗装仕上げ、2階をガルバリウム鋼板の素地材とした建物です。屋根もガルバリウム鋼板による片流れ屋根としています。これは24年前の設計当時、将来、外壁の塗り替えを行う際に、できるだけ足場を設置せずに済むように考えたものでした。足場にかかる費用を抑えることができれば、メンテナンス費用も少なくできると考えたからです。
今回は竣工後2度目となる外壁の塗装に加え、2階部分の外壁や屋根、樋の清掃、窓周りや各所に設けたベントキャップなどのコーキングの打ち直しも行うため、足場を設置しました。
室内では、木製建具の調整やシャッターの清掃、大型の障子の張り替えなども行いました。建具を調整したことで毎日のシャッターの開け閉めが新築当時のように楽になり、障子を張り替えたことで室内も明るくなりました。造作の浴室には無塗装の板が張られていましたが、長年の使用によってカビで黒ずんだ汚れが目立っていました。汚れを落とした上で、カビの発生を抑える塗料を施しています。
浴室への出入りにはガラス製の吊り戸を使用していましたが、吊り金物の経年劣化によって開閉に支障が出始めていました。そこで、同じ形状のポリカーボネート板に交換し、毎日の出入りを無理なく行えるようにしました。明り取りとして設けたガラスブロックも、コーキング部分に発生したカビを除去し、新たなカビ対策を施しています。さらに新しい枠を設けることで、結露の発生も抑えられるように配慮しました。
今回、修繕や調整を行った箇所は、一つ一つを見れば小さなものばかりです。けれど、それらはすべて24年間の暮らしの中で少しずつ変化してきたものでした。新築時には問題がなくても、長く暮らしていれば建物も設備も建具も、少しずつ暮らしとの間にずれが生じてきます。その変化に気付き、その時々に適切に対応していくことも、住宅を長く使い続けるためには大切なことなのだと思います。
24年前、まだ建築基準法には「24時間換気」の義務付けもなく、一定の化学物質を含まない建材の使用を求めるホルムアルデヒド対策なども、現在ほど明確には定められていませんでした。その頃に設計したこの家は、そうした化学物質をできるだけ排除することを考えてつくった家でした。
また、現在では花粉症対策なども含め、バルコニーを設けない住宅も珍しくなくなりましたが、この家では24年前から、洗濯物を外に干すことを前提としない暮らし方を考えていました。当時は少し珍しい家だと言われていました。けれど24年が経った今、そこに暮らす家族が望んだ健康や暮らしやすさを求める考え方は、決して特別なものではなくなっています。
他者の家を見て「あれが流行っているから、あれと同じに」と考えるのではなく、「自分たちは、どんな家で暮らしたいのか」「自分たちが望む暮らしとは、どんなものなのか」そうしたことを考えてつくった家こそ、その人たちにとって最良の家なのだと思います。
24年後のリフォーム工事を終えて、あらためてそんなことを思い出させてくれた住宅でした。
本リフォーム計画に際してブログで書いた記事が以下になります。併せてご一読いただければ幸いです。
【23年目の答え合わせ・第1回】外壁は“塗り替えない”という選択 ― 足場設置にも考慮した設計↗
【23年目の答え合わせ・第2回】カビは失敗ではなく「安全の証」――化学物質のない家が守り抜いた23年↗
【23年目の答え合わせ・第3回(最終話)】建物の「顔」をつくるもの。時間を経て深まる物理的な器としての家↗