昨夜の話。
座っている姿勢から立ち上がろうと、ガラス天板のテーブルに手を付き、力を込めた瞬間だった。力加減を間違えたのか、手を突いた位置が悪かったのか。突然天板が外れ、そのまま前のめりの姿勢で床に手を突いてしまった。
テーブルの上に置いてあったガラスのコップは割れ、テーブルの下に置いていたタブレットの画面も無残に割れてしまった。
突いた左手の上には、落下してきたガラス天板の角が当たったらしく、薬指の第一関節から先が真っ黒に内出血している。幸い折れてはいないようだが、もし天板そのものが割れていたらと思うと少しぞっとする。下手をすると、もっと大きな怪我になっていたかもしれない。

あまりの出来事に当の本人はしばらく茫然としてしまったが、家族が驚きながらもすぐに動いてくれたお陰で、冷静さを取り戻すことができた。散らばったガラス片の片付けも手伝ってくれ、本当に助かった。
家というのは安全な場所だと思い込んでいる。しかし実際には、段差もあれば家具もあり、ガラスもある。若い頃には何でもなかった動作が、年齢を重ねると予想もしない事故につながることがある。
思い返せば、自分が若い頃、親が家の中で転んだり、何でもない所で怪我をしたりすると、「何をやっているんだろう」と半ば呆れたような気持ちで見ていた。ところが、自分がその年齢になってみると、その意味がよく分かる。
世の中の若い人たちへ。
もし歳を重ねた家族が家の中で怪我をした時には、どうか優しい目で見てあげてください。きっとその人も若い頃は、こんな怪我をするとは思ってもいなかったはずです。そして助けているあなた自身も、何十年か後には同じ立場になるかもしれません。
それにしても、怪我の痛みもさることながら、割れてしまったタブレットのことが残念で仕方がない。このタブレットは息子が買ってくれたもの。

もちろん物だからいつかは壊れる。それは分かっているのだが、自分で落として壊したわけでもなく、こんな思いがけない事故で画面が割れてしまったのは何とも切ない。
指の内出血はいずれ治るだろう。
しかし割れた画面を見るたびに、昨夜の出来事と、息子の顔を思い出しそうである。
家の中で起きる事故というのは、案外こんな何でもない瞬間に起きるものなのかもしれない。
どちら様もご注意ください。
執筆者:安井 俊夫(天工舎一級建築士事務所 代表)
「自分たち家族は、この先どんなふうに生きていきたいのか」
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