ミステリ小説を読んでいて、ふと手を止めて悩むときがあります。
「この密室、本当に成立するのだろうか」
「この窓の大きさで、人が出入りできるはずがない」
物語の緊張感に浸りながらも、職業柄つい図面を引くように頭の中で検証してしまう。 そんな「ミステリ好きな建築士」としての視点から生まれた連載が、このたび一冊の本になりました。
5月29日、エクスナレッジより『建築トリック謎解きガイド』を出版します。本書は月刊『建築知識』で連載した「難事件は不思議建築とともに」に加筆修正を加え、さらに書き下ろしを多数収録しました。発売に先立ち、少しだけ内容をご紹介します。
テーマのひとつが、「窓のない部屋は本当につくれるのか?」
ミステリでは定番の「窓のない密室」。 しかし現代の日本では、これを実現しようとすると「建築基準法」という巨大な壁に突き当たります。採光、換気、排煙——現実の建築は、人が生きるために、物語以上に厳密な条件のもとに成立しているからです。
つまりミステリの「密室」を現実に成立させるためには、法律をクリアしつつ密閉空間を生み出す、「別の意味での“高度な建築トリック」が必要になるのです。「では、プロの建築士ならどうやってその密室を設計するのか?」……その答えは、ぜひ本書の中でご確認ください。
実は、「建築」と「ミステリ」の繋がりは、皆さんが想像する以上に深いのです。 虚構のトリックを現実の法律や構造と照らし合わせることで見えてくる、本書の3つのポイントをご紹介します。
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ミステリの「あるある建築」をプロが検証: 「窓のない部屋」や「隠し通路」の実現性を、現役一級建築士が図面レベルで大真面目に考察!
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現実の法律や構造と照らし合わせる: 虚構のトリックを、建築基準法など現実の建築技術のフィルターを通して徹底検証。
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家づくりへの新しい視点: トリックの検証を通して、現実の住まいがいかに「心地よく生きるための工夫」に満ちているかを再発見!
この本は、単なるミステリの解説書ではありません。 読み終えた後、建物の見方が変わり、間取り図の「違和感」に気づけるようになり、住宅という空間をより深く理解できるようになる。そんな新しい視点が手に入る一冊です。
ミステリ好きの方はもちろん、これから家づくりを考えている方にも、思わぬ発見があるはずです。普段何気なく見ているご自宅の「窓」や「壁」が、少し違って、そして愛おしく見えてくる体験をぜひ味わってみてください。
詳細な目次はエクスナレッジ・オンラインでもご確認いただけます。

【ご予約・詳細はこちらから】
『建築トリック謎解きガイド』は、5月29日発売です。(※書店店頭に並ぶ日と通販サイトでは違う可能性があります) 発売に向けて、このブログでも内容の一端を少しずつご紹介していく予定です。 よろしくお願いいたします。
執筆者:安井 俊夫(天工舎一級建築士事務所 代表)
「自分たち家族は、この先どんなふうに生きていきたいのか」 ご家族の想いを大切にし、時間が流れて変化していく慣れ親しんだ物理的な器としての家づくりを、お手伝いしています。小田原周辺での住宅設計や、日々の積み重ねを大切にした無理のない省エネリフォームなど、住まいに関するご相談は、お気軽にお寄せください。
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