萩尾望都氏の名作『11人いる!』を読みました。
ずいぶん前に読んだ記憶がありますが、今はもう手元に無いので、新たに買い直しました。
なぜ今さら『11人いる!』を読んだのかというと、先日、拙著『建築トリック謎解きガイド』の刊行に際して都内の書店様へ御挨拶に伺った際、偶然、萩尾望都氏の原画集が並んでいるのを見かけたから。その時は通り過ぎただけだったのですが、帰宅してから急に読み返してみたくなったというわけ。
普段ミステリを好んで読みますが、SFもホラーも好きです。どのジャンルも「謎」や「不思議な出来事」から始まり、それぞれ異なる方法で読者を物語の終着点へ連れて行ってくれるから。謎の中身や解決方法は違えど、謎が提示され、その謎を解き明かすという意味では根っこは一緒だと思っています。
久しぶりに読んだ『11人いる!』は、やはり面白い作品でした。閉ざされた宇宙船という限られた空間。そこに集められたはずの10人の受験生。しかし実際には11人いる。誰が余計な一人なのか――。
今読んでも魅力的な設定ですし、物語を牽引する力も衰えていません。発表から長い年月が経った作品ですが、名作と呼ばれるものには時代を超える強さがあるのだなと、改めて感じました。
本棚の奥には、昔読んだまま長いこと開いていない本が、まだ何冊もあります。たまには新刊ではなく、そんな本を読み返してみるのも悪くないと思います。

安井俊夫|天工舎一級建築士事務所
一級建築士・『建築トリック謎解きガイド』著者。建築や暮らし、本について日々感じたことを書いています。