来週から、いよいよお盆休みが始まりますね。
学校も夏休みに入り、久しぶりにご家族やご親族が揃うという方も多いと思います。
そんな時、「そろそろ家を建てようか」「今の家も古くなったし、リフォームを考えようか」と、住まいの話になるご家庭も少なくありません。
家づくりを考え始めたとき、多くの方が最初に向かうのは住宅展示場かもしれません。
もちろん、それは自然なことですし、最新の住宅設備や空間を見ることは、とても参考になります。
でも四十年以上、住宅設計に携わった建築士として、一つだけ考えてしまうことがあります。
家づくりは、本当に展示場から始めるものなのか?
モデルハウスは、家を売る場所です。もちろん、それが悪いと言っているのではありません。
住宅会社なのですから、それは当然のこと。
ただ、家族がどんな暮らしを望んでいるのか。
「住まう」とはどういうことなのか。
そうしたことを一緒に考え始める場所ではないと思っています。
展示されているのは建物という箱です。
ですが本当に考えなければならないのは、その建物の中で営まれる暮らしだと考えているからです。
今までに住宅の新築だけでなく、築三十年、四十年と歳月を重ねた住宅の調査やリフォームにも数多く携わってきました。
だからなのかもしれません。
新しい家を見ても、「この家は三十年後、どんな姿になっているだろう」。
そんなことを考えてしまいます。
家は完成した日がゴールではありません
そこから何十年も家族と一緒に歳を重ねていきます。
子どもは成長し、やがて独立します。
夫婦二人の暮らしになる日も来るでしょう。
その変化を受け止められる住まいなのか。
年月を重ねても心地よく暮らしていける住まいなのか。
私が一番気になるのは、そういうことです。
最近は、住宅性能という言葉を耳にする機会が増えました。
◦耐震性能
◦熱性能
◦気密性能
もちろん、どれも大切です。
でも、それだけで家族が幸せに暮らせるわけではないと思います。
小田原には、小田原の風があります。
海から吹く風。
西日。
湿気。
そして、この土地ならではの四季があります。
数字では表せないものを読み取り、住まいに生かしていくことも、設計という仕事の一つではないかと思っています。
少しだけ意地の悪い言い方をすれば、家づくりは、「どこの会社で建てるか」から考え始める方が多いようですが、でも本当はその前に考えるべきことがあると思っています。
自分たち家族は、どんな暮らしをしたいのか。
「住まう」とは、どういうことなのか。
それを家族で話し合う時間は、意外と少ないように感じています。
「住まい」は買うものではなく、つくっていくものだと思います。
建物は買うことができます。でも、住まいは買うことができません。
そこに住む人がいて、笑ったり、悩んだり、子どもが成長し、季節が巡る。
そんな時間の積み重ねが、住まいになっていくのだと思います。
「住まう」とは何かという答えは、カタログの中にも、モデルハウスの中を探しても見つかりません。
家族が語り合い、その話を建築家が聞く。
そうやって少しずつ見えてくるものなのかもしれないからです。
このお盆休み、ご家族が揃う時間がありましたら、
「どんな家が欲しい?」ではなく、
「これから、どんな暮らしをしていきたい?」
そんな話をしてみてはいかがでしょうか。
家を設計するとは、図面を描く前に、そんなお話を聞くことから始まります。
建築家は家を設計する仕事だと言われますが、その前に、ご家族の暮らしを一緒に考えることが何よりも大切な仕事だと思っています。
図面とは、結果的にその答えを見える形にしただけのものです。
だから私は図面を描く前の時間こそが、とても大切だと考えています。
天工舎一級建築士事務所は、下記の日程を夏季休暇とさせていただきます。
2026年8月9日(日) より 2026年8月16日(日) まで
8月17日(月) 午前9時より営業させていただきます。
休業期間中も、メール・FAXによる、お問い合わせは受け付けております。
住まいのことで気になることがございましたら、休業明けにお気軽にご相談ください。
執筆者:安井 俊夫(天工舎一級建築士事務所 代表)
「自分たち家族は、この先どんなふうに生きていきたいのか」
ご家族の想いを大切にし、時間が流れて変化していく慣れ親しんだ物理的な器としての家づくりを、お手伝いしています。小田原周辺での住宅設計や、日々の積み重ねを大切にした無理のない省エネリフォームなど、住まいに関するご相談は、お気軽にお寄せください。
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