敷地は生きもの―図面を描く前に土地を読む

建物を考えるときに、実際の敷地に立つこともなく、風の抜けや陽の差し方、雨の日の水の流れも知らずに計画することは出来ないと思っています。

紙の上に描かれた四角い敷地に、パズルのように部屋を当てはめることはできます。ですが、それは学生時代の設計課題ならともかく、人生をかけて住宅ローンを返済するかもしれない方の家で、それで良いとは思えないのです。

今日は朝から土地の測量の立ち合いに入っていきました。4人の測量士さんたちと計画の目的を共有したうえで、今回の設計で特に重視したいポイントを確認しました。

勿論私が説明するまでもなく、敷地の現況測量と言えば次のことは、必ず押さえるポイントになります。

◦境界杭の位置

◦高低差

◦道路との関係

◦隣地との離れ

◦電柱や支線

◦樹木や井戸

◦水路や側溝

それ以外のポイントとは、建物計画の主旨によって違ってくるでしょう。説明したのはその点。

測量も設計と同じで、漫然と寸法を測るのではなく、その目的や意図を知った上で行うと、少しだけ違ってくると考えています。

今回測量する土地は約2,000㎡、およそ600坪。今日と明日の二日間をかけて測量を行います。

とにかく暑いので熱中症に気を付けて、休み休みの作業を心掛けていただくように、お願いして帰って来ました。

本当にこの時期、外での御仕事は大変なのです。

敷地は、一見すると何もない「ただの地面」に見えるかもしれません。

ですが、その土地には風があり、光があり、音があり、水の流れがあります。

そうした土地の個性を丁寧に読み取ることができれば、そこに建つ建物も、その土地にしっくりと馴染むものになるはずです。

同じ土地は二つとしてありません。だから私は、敷地は「生きもの」だと思っているのです。


執筆者:安井 俊夫(天工舎一級建築士事務所 代表)

「自分たち家族は、この先どんなふうに生きていきたいのか」

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