今こそ、家の健康診断を

昨夕、熊本県内で最大震度7を観測する大きな地震が発生しました。10年前の熊本地震の記憶がよみがえり、胸が痛む思いです。お亡くなりになられた方々に心よりお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様に深くお見舞い申し上げます。

被害の全容はまだ明らかになっておらず、今後の状況が大変案じられます。

そのような中、報道映像を見ていて、一つ感じたことがありました。それは、過去の大地震の際と比べると「住宅の倒壊があまり目立たないのではないか」ということです。 もちろん、すでに被害を受けられた住宅は数多くあるはずですし、あくまで第一報の映像を見た時点での個人的な印象に過ぎません。

しかし、もし実際に建物の倒壊被害が比較的少ないのであれば、その理由として以下の3つのことが考えられます。

  1. 耐震性能の向上 新耐震基準以降に建てられた木造住宅の性能が向上し、その成果が表れている可能性。

  2. 地震波の特性 「震度7」という非常に大きな揺れであっても、揺れの固有周期や継続時間、地盤条件などの影響により、建物への破壊力が比較的抑えられた可能性。

  3. 被害の未確認 現時点では報道されていないだけで、実際には被害の全容が把握しきれていない可能性。

いずれにしても、これ以上被害が拡大しないことをただ祈るばかりです。

私たちが暮らす神奈川県小田原市周辺も、以前から大地震の発生が懸念されている地域です。今回の地震を決して遠くの出来事として終わらせず、ご自宅の耐震性や老朽化の状況を見直す一つの契機としていただければと願います。

人が定期的に健康診断を受けるように、家にも「定期的な健康診断」が必要です。問題が見つかっても、早めに手を打つことで大切な住まいの寿命を延ばし、将来の甚大な被害を防ぐことができます。

家は、ご家族の命と日々の暮らしを守る大切な「器」です。その器を常に健全な状態に保つことこそが、家族を守ることにつながる――私はそう考えています。

参考 小田原市の場合の耐震関連の補助金

小田原市では「木造住宅耐震診断補助金↗」制度があります。

補助金制度を利用して耐震診断を受け、その後、耐震補強工事が必要と判断された場合には「木造住宅耐震費補助金↗」の制度を受けることも可能です。

補助金には耐震設計費・工事監理費・耐震改修費に対して、補助を受けられます。

いずれも一定の条件がありますので、補助を受けたい場合には事前の確認が必要です。

補助制度は「地震が起きてから」では利用できません。平常時だからこそ利用できる制度です。


執筆者:安井 俊夫(天工舎一級建築士事務所 代表)

「自分たち家族は、この先どんなふうに生きていきたいのか」

ご家族の想いを大切にし、時間が流れて変化していく慣れ親しんだ物理的な器としての家づくりを、お手伝いしています。小田原周辺での住宅設計や、日々の積み重ねを大切にした無理のない省エネリフォームなど、住まいに関するご相談は、お気軽にお寄せください。

▪️著書 : 『建築トリック謎解きガイド』(エクスナレッジ、2026年5月刊)

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