『雲上都市の大冒険』読了 - 55

雲上都市の大冒険
雲上都市の大冒険
山口 芳宏
第17回(本年度)の鮎川哲也賞受賞作品です。受賞式に参加させていただきましたので、普段とは違った意味で、楽しく読ませていただきました。作品の印象は、著者が巻頭に「少々ヘンな探偵小説」と書かれている通り・・・・・・少々ヘンでした(笑)。
事件は昭和27年の東北、標高1150mと言う雪山の頂上に位置する四場浦鉱山が舞台です。人口1万人を有する大規模な炭鉱は、福利厚生の充実した「雲上の楽園」。この炭鉱の地下牢に20年間監禁されていた男が、脱出不可能な密室から復讐のために脱獄します。そして惨劇が幕が切って落とされる訳です。

この時点で設定としては「○」。また事件の謎を解く探偵が二人登場するのですが、二人ともキャラ的に特徴があり「○」。そして二人のワトスン役を勤めるのが、弁護士であり、後に事件の記録を書く事になる主人公。これも金田一耕介と横溝正史の関係みたいで「○」と、「○」の要素満載なのですが、残念ながら個人的な好みで言うと「×」でした、ゴメンナサイ。

巻頭に「少々ヘンな探偵小説」と書かれていたので、そのつもりで読んでいたのですが、それでも密室からの脱獄トリックをはじめ、首無し死体の謎や、血文字のメッセージの意味、そして事件の確信となる犯人の正体&・・・・(←書けない)と、ストン飲み込めない箇所があり、それが読後に引っかかってしまったのです。でも二人の探偵が出会う最初の事件には興味があるので、その辺りを書いた作品が出れば、是非読んでみたいと思います。

個人的には、受賞パーティで受賞の喜びを語られる氏のお姿を拝見している事もあり、今後のご活躍を応援したいと思っています。

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コメント(2)

みけねこ (2007年10月28日 14:57)

こんにちは。
この作品、書評サイトさんでも盛んに取り上げられてますね。鮎川賞受賞作は、やはり本格ミステリとして注目度が高いのでしょうか。
なのに私はまだ現物を目にしてもいません…。うっかり書店に行くと、欲しい本があれもこれもで収拾つかなくなるので、来月に入るまで我慢の日々です(涙)。

ところで、遅ればせながら今頃ブログを立ち上げてみました。
もう少し体裁が整ったら、こちらのサイトをブックマークさせていただきたいのですが。構いませんか?
時期が来たら、正式に掲示板の方にお願いに上がります。
よろしくお願いいたします。

探偵長 (2007年10月29日 09:34)

鮎川賞受賞作と聞けば、期待値が上がるのかもしれませんね。本作は装丁も綺麗なので、「ジャケ買い派」は、触手を伸ばすかもしれません。

それとブログデビューですか!みけねこさんのブログなら書評中心でしょうか?いずれにしても楽しみにしておりますので、時期が来たらお知らせ下さい。また、ブックマークに関しては、どうぞ宜しく、お願いします。

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