HOME > 最新情報 > BLOG -建築的じゃない日々- > 建築 > 建築視点 ~幻影城~
今は立教大学が、この建物を管理・保存しています。
幻影城と呼ばれる、土蔵を改造した書庫がこれ。
土蔵と聞くと、農機具などを収納する建物をイメージしますが、この建物の場合、立派というか厳つい感じがします。なぜでしょう?
この土蔵を含めた住居は、もともと建っていたものを、乱歩が昭和9年に借り受けて住み始めます。
その当時の写真が、これ。
土蔵のデザインや装飾などが、この当時から施されていたものだということが分かります。
土蔵を改造した書庫の中には、乱歩の原稿をはじめ、蔵書が約20000冊ほど収容されています。
ガラス越しに覗くと、世界のミステリがたくさんあることが分かります。
反対の棚には、谷崎潤一郎の全集なども見られます。
愛読書の幅の広さを見ているだけでも、時の経つのを忘れます。
蔵書に関しては、私が触れなくても良いので、ここではスルーしましょう。
建築的に気になったのは、土蔵の外壁に施された水平を印象付けるラインと鋲の様な飾り。
そして銅版で作られた樋です。
樋と地面の接するところを横方向に穴を開け、那智石を敷き詰めた場所に、自然浸透させるように配慮されています。さりげないお洒落です。
蔵の外壁と言えば、「なまこ壁」を思い出すのですが、幻影城はちと違う。そこで「蔵」のデザインというか特徴が、地域や時代によって違いがあるのかを調べてみました。すると驚いたことに、そっくりの蔵を見つけました。場所は信州です。
似てますよね。
これ何か繋がりがあるのでしょうか?
と言うか、こんなことは有名な話で、私が知らないだけなのでしょうか?
あー、なんか凄い気になる。
今度、ゆっくり調べてみましょう。
えっと、もっともっと建築的にも気になる話はあるのですが、長くなるのでこの辺で一度終わりましょう。続きはまた今度。
天工舎一級建築事務所
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2012年6月25日 17:38
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