『九人と死で十人だ』カーター・ディクスン著/読了

第二次世界大戦が開戦されてからまだ間もない頃、大型客船のエドワード・ディック号は大量の武器弾薬を輸送する任務に就き、ニューヨークの埠頭から出航した。敵から最も狙われやすいこの船には、船員の他に九人の乗客が乗っていた。その船内で妖艶な美女が、喉を掻っ切られて殺されるという事件が起きる。真っ白な女性のドレスには、犯人の血の指紋が残されたいた。船内の全員の指紋を調べたのだが、残された犯人の指紋を持つ者はいなかった。頭を抱えた船長は、乗り合わせた英国の名探偵ヘンリ・メルウ”ェール卿に事件の収拾を依頼するのだが、その矢先、第二の事件が起きてしまう――

カーのファンの中でも、好みが分かれる作品の一つですが、私は大好き! 閉ざされた空間で、犯人不在のクローズド・サークル物。背景が戦時中であるということや、ニューヨークからイギリスへ向かう洋上での事件であること。つまり周りは海なので、敵も味方も増えないし、凶器の類も何処へでも捨てることが出来る場所であるということ。また艦内で明かりを灯すと、敵潜水艦から狙われる可能性があるので、昼夜問わず暗いであろうと言う怪しい雰囲気。こういう雰囲気は大好きだ―――!

1999年の日本で書籍化されて以来の新翻訳での再販。内藤陳なら「読まずに死ねるか!」と、叫ぶ作品です。

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内藤陳……知らない?

 

 

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