『数学的にありえない(上)(下)』巻 読了-12,-13


大学院で統計学を学ぶ天才数学者のケインは、ポーカーで大負けをして、ロシアマフィアに多額の借金を作ってしまう。返済期限は一週間。マフィアに追われる身となったケインだったが、以前から患っていた癲癇の症状が悪化し、金の工面どころではなくなってしまう。

ケインの双子の兄ディヴィッドがそうだったように、このままでは精神を病んでしまうと考えたケインは、新薬の生体実験被験者となり、薬を飲む決心をするのだった。だかその薬にはとんでもない副作用が隠されており、ケインは特殊な能力を身に付けてしまうことになる――。

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特殊能力を身に付けたケインを追っていたCIAの特殊暗殺者ナヴァは、ケインに同調し一緒に逃亡することになる。だが二人を追う戦闘のプロ集団は周到に罠を張り巡らせ、遂には二人の居場所に奇襲を掛ける。戦闘のプロ・ナヴァと特殊な能力を身に付けたケイン、二人の反撃の幕が切って落とされる――。

確率論や統計論、その他数式が、重要なポイントで出来ます。でもその数値に意味があるのではなく、そこに至る過程や思考の道程に意味があるので、数学が苦手な方でも全然大丈夫! というか、逆に数学が苦手な方こそ、楽しめる一冊かもしれません。

解説は、16日にお亡くなりになられた児玉清氏が書かれています。その軽妙な語り口の中で、実に的を得た解説をされていて、解説を読むだけで、もう一度楽しめるぐらい。児玉氏がお亡くなりになられた時に、児玉氏の推薦された本を読んでいたことも、何かの縁かもしれないと思いながら、最後まで読みました。

確立や統計を頼りに生きていくよりも、時には自分の信じた道を突き進む勇気こそが、絶対に必要な物であり、それこそが勝利へと導く大切な要素です。それが、たとえ少ない成功のチャンスであったとして。全編に流れるそんな思考が、読み手に感動を与えてくれるのかもしれません。とても深く楽しめた一冊です。ちなみにこの本、最後の一行まで油断されませんよう。


児玉清さんの御冥福をお祈りいたします。

天工舎一級建築事務所
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コメント(2)

iu-kikakau (2011年5月21日 11:20)

こんにちは。

中々興味深い内容ですね。

映画にできそう?!

児玉清さんの訃報は、本当に残念でした。

心よりご冥福をお祈りいたします。

ポチ!してゆきます!

安井俊夫 (2011年5月22日 15:35)

こんにちは。

確率論、統計論が満載の内容でしたが
映像にした方が、より楽しめそうな作品でした。

最近は、そんな小説が多いような気がします。

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