HOME > 最新情報 > BLOG -建築的じゃない日々- > ミステリ本 > 『数学的にありえない(上)(下)』巻…
ケインの双子の兄ディヴィッドがそうだったように、このままでは精神を病んでしまうと考えたケインは、新薬の生体実験被験者となり、薬を飲む決心をするのだった。だかその薬にはとんでもない副作用が隠されており、ケインは特殊な能力を身に付けてしまうことになる――。
確率論や統計論、その他数式が、重要なポイントで出来ます。でもその数値に意味があるのではなく、そこに至る過程や思考の道程に意味があるので、数学が苦手な方でも全然大丈夫! というか、逆に数学が苦手な方こそ、楽しめる一冊かもしれません。
解説は、16日にお亡くなりになられた児玉清氏が書かれています。その軽妙な語り口の中で、実に的を得た解説をされていて、解説を読むだけで、もう一度楽しめるぐらい。児玉氏がお亡くなりになられた時に、児玉氏の推薦された本を読んでいたことも、何かの縁かもしれないと思いながら、最後まで読みました。
確立や統計を頼りに生きていくよりも、時には自分の信じた道を突き進む勇気こそが、絶対に必要な物であり、それこそが勝利へと導く大切な要素です。それが、たとえ少ない成功のチャンスであったとして。全編に流れるそんな思考が、読み手に感動を与えてくれるのかもしれません。とても深く楽しめた一冊です。ちなみにこの本、最後の一行まで油断されませんよう。
児玉清さんの御冥福をお祈りいたします。
2011年5月20日 09:28
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iu-kikakau (2011年5月21日 11:20)
こんにちは。
中々興味深い内容ですね。
映画にできそう?!
児玉清さんの訃報は、本当に残念でした。
心よりご冥福をお祈りいたします。
ポチ!してゆきます!
安井俊夫 (2011年5月22日 15:35)
こんにちは。
確率論、統計論が満載の内容でしたが
映像にした方が、より楽しめそうな作品でした。
最近は、そんな小説が多いような気がします。
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