金のPLAN、銀のPLAN

 
二つと同じ条件の無い土地に、これまた唯一無二の御家族の家を計画する機会をいただくのが、設計と言う仕事。日本では理数系の学問として習う建築だが、そこには数学のように1+1は2となるような絶対的な答えが存在しない。つまり一つの土地に100人の設計者がPLANをすれば、100通りの解が生まれることになる。それこそが建築家の個性であり、思考や思想の違いなのであり、そこに共感・共鳴するからこそ住み手も設計を依頼されるのだろう。

だが家のPLANというのは奇異な物で、その学問を専門的に学び、長い年月その仕事一筋に従事し、家(建築)の事だけを考え続けてきた設計者でなくとも、方眼紙を前に鉛筆舐め舐め、自分の思う家の間取りを書くことが出来てしまうのも、また事実。

もっともこの事だけを見れば、それはどんな職業でも同じこと。例えば銀座の一流料亭の花板が作ったダシ巻き卵もあれば、小学生が家庭科の授業で初めて作ったダシ巻き卵もある。色や形は悪くとも、同じダシ巻き卵であることには代わりが無い。

唯一無二の正解が無い建築の世界といったが、そこには理想的で、無理が無く理に適っている建物への追求がある。場合に拠っては斬新な驚きが隠されていたり、想像も付かない景色を窓に捉えることだってある。それはけして偶然の産物ではなく、経験と情報とデータの蓄積量と想像力の裏打ちから生まれるものであり、けして「オッ!ラッキー♪」といったものではない。

「貴方が落としたのは金のPLANか、それともこの銀のPLANか。それともこの鉄のPLANか」と、問いたくなるときがある。もっともこの場合、「私が落としたのは鉄のPLANだ」と答えられたら、金のPLANも銀のPLANも必要が無いということなってしまい、いろんな意味でOUT!(笑)

・・・・・・勉強しようっと!

天工舎一級建築事務所
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