『チェス盤の少女』サム・ロイド著

13歳のチェスの天才少女・イリサが大会会場から誘拐される。地下室らしき部屋に鎖で繋がれ監禁されるイリサ。その部屋に、ときおり様子を見に来る誘拐犯。その地下室を秘密の遊び場にしていたために偶然、イリサを見付けた謎の少年・イライジャ。捜査にあたる女性警視・メイリード。物語はイリサ・イライジャ・メイリードの三人の視点で展開されていく。イリサが唯一助かる方法は、謎の少年イライジャの存在だが、果たして彼は味方なのか、それとも―。

警視メイリードは過去に12度の流産経験があり、今、13度目の妊娠三週目であることに気付く。「お腹の子の命は誘拐された少女イリサを助けることで繋ぎとめることが出来る」と、祈りにも似た願掛けをして捜査にあたる点が、誘拐された我が子を思う母親の気持ちと通じており、物語に厚みを増している。500頁を超える大作だが、読み手を引き込む筆圧は高く、後半の展開は息を呑みます。ただ個人的な感想とすれば、文字で読ませるよりも映像化された方が面白いかも。

今年はチャンと本を読むことが、目標の一つなので頑張る。

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