『赤い月、廃駅の上に』 読了-8

赤い月、廃駅の上に (幽BOOKS)
赤い月、廃駅の上に (幽BOOKS)

ミステリ界の巨匠・有栖川有栖氏が、初めて挑戦した「テツ怪談」。
表題作をはじめとする、全10話が収録されています。ミステリ好きの方は勿論ですが、鉄道好き・怖い系好きな方にも、お薦めの一冊。

えっとぉ・・・正直言うと、私、ホラー系は苦手なんです。
首なし死体の話なら平気なのですが、首が宙を舞う話は怖いんです。だからこの作品も、恐る恐る読みました。そしたら案の定、やっぱり怖い。でも「スプラッター系」とか「ドロドロ系」ではなく、「品良く怖い」のです。編集者さんが、<有栖川さんの描く怪談は「美しい怪談」ばかりでした。>と、仰っていた意味が、よく分かりました。

「あぁ、こう言う状況になったら怖いだろうな~」と言うシーンを、丁寧に想像させてくれます。だから思わず ゾクッ と怖くなる。けして血が ドバー! とか、チェーンソーで腕が ズバー! と言う怖さとは違います。静かに、深く、丁寧に、怖さが沁み込んで来ます。まるでベッドの上にワインを溢したような、そんな美しい怖さでした。

余談ですが、本の紙質が好きでした。それに頁数のデザインも好みです。
そんな所を見ている読者は、結構居ると思います。

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