エスカレーターを歩くのは止めましょう

埼玉県で、エスカレーターを歩かないようにと言う趣旨の「県エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例案」が提案されるらしい。これ、物凄く良いことだと思う。関東では右を、関西では左側を、急いでいる方のために開けておく―――みたいな話が、まるで当然のマナーのように言われているが、もともとエスカレーターは歩くための物では無い。だからどちらかを、歩く人のために開けておくなんて言うルール自体が存在しないのです。開けておくのは、たかが数秒も待てないイラチが、後ろで舌打ちするのを聞くのを嫌だから、仕方なく譲ってあげているだけで、日本エレベーター協会でも歩くことは一切推奨されていない。それどころかエスカレーターで歩くことはお辞めくださいと、ハッキリと書かれています。

一般社団法人 日本エレベーター協会 「エスカレーターを、安全、快適にご利用いただくために」

日本に初めてエスカレーターが登場したのは大正時代のことだが、その後、関東大震災で罹災。一躍有名となったのは、大阪万博の「動く歩道」だと思うが、その設置目的は歩行者の負担軽減や人の多い場所での安全な移動方法の確保。そしてなによりも大切だったことは、高齢者や幼児・障害のある方への配慮でした。

今では急ぐ人のために片側を開けることがマナーのように思われているかもしれないが、本当は真逆の意味なのです。開けなければならないと言われている側の腕しか利かない人や、小さな子供の隣に立って手を繋ぎ、安全を確保したいと考える保護者の気持ちが、分からない人ばかりではないと思うのだが?

また大量に人が歩くことで、エスカレーターに構造的なトラブルが発生すれば、それこそ大勢の人の事故にも繋がりかねない。エスカレーターを歩かなければならないほど急いでいる人は、階段を使えば良いのですよ。もともとエスカレーターとは、そういう人たちのために作っていなのだから。それが嫌ならせめてエスカレーターに乗った時は、ジッと動かないようにしてもらいたいものです。

ま、他者に対するマナーや労り、配慮や思いやりと言ったものを、条例で決めなければならないと言うのは、なんとなく寂しい気もしますけどね。

 

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